世界の中心にすまう闇

----南國科學通信 天体圏から1---- 世界の中心には巨大な暗闇がある。 高知大物理学科の飯田圭教授の講演はこのように始まった。 宇宙の中心はどこであろうか。実はこの質問には答えがない。宇宙は、より多次元の空間に埋め込まれた、両端が繋がった閉じた空間だからである。ちょうど地球の表面の二次元世界に生きる生物にとって、地表のどの地点が中心かという質問が無 ...

確率と自由

----南國科學通信 抽象圏から2---- 確率の概念は人間にとって非常に基本的なものである。人は希望を胸に確率の神殿を訪れて、稀に確信を、多くは傷心を抱いてそこを去る。世の中は不確定で不測の事態でいっぱいなので、人のサバイバルには、進化の途上での確率概念の獲得が不可欠だったに違いない。 確率の中心にある概念が「出鱈目」もしくは「ランダムさrandomness ...

ペイジランク:多数決と世評

----南國科學通信 抽象圏から1---- 人間は社会的動物なので、生きて行く上で自分の社会の中での評判というのを絶えず気にせざるを得ない。集団の中での各人の発言の重みは、評判に従って決まってくる。「社会的地位」とまで大きな話にせずとも、小さな仲間内での評判に基づいたポジショニングが、毎日を楽しく生きるのには実は一番重要だったりする。 しかし世評というのはどの ...

実践宇宙気候学批判

(1) 今週のとある早朝のオフィスで、少しだけ息を継ぐ間を見つけたので、気忙しくて封を切る間もなかった物理学会誌の5月号を開いてみた。パラパラと眺めていると「宇宙環境と地球の気候」という題が眼にとまった。武蔵美の宮原ひろ子博士の解説記事である。「太陽圏システムの物理学」という副題が付いている。 ブリューゲルの凍結した画面にも描かれてるように、十七世紀の70年ほど ...

新奇探求型の人間がなぜ世に多いのか

大学での授業中に質問などして教室を眺めていると、「新奇探求性」の多寡でもって、学生をおおよそ二つに分けることができるように思える。教室の半分ほどは、何事にも慎重で今までの経験と慣習を大切にするのに対し、残り半分ほどは、これまでの枠組みを超えた組み合わせや、新しい試みを行う気質が感じられるのである。 普通よく聞かされるのは、最近の若い世代は何事もコンサバで「新奇探求性 ...

土佐のミストラル

「量子グラフを用いた単一粒子の流速制御理論」という論文の定稿がなんとかできてくる。これは割と数理物理をこえて受けるかもしれない、と希望的観測をしてみる。少し落ち着いて周りを見渡すと、外はもうすっかり秋の風情である。毎年の事ではあっても、コスモスとヒマワリが同時に咲いて木漏れ日が風に踊る土佐の秋は実に美しい。 どう、こんなに麗しい秋は何所探しても中々ないでしょ ...

気候科学研究室(柴田清孝)

気候科学研究室(柴田清孝) 大気からみた気候の変動特性の解析を行っています。対象は気象や微量気体の観測データ・再解析データに加えこれらを予報変数とする数値モデルによる将来予測データも含みます。高知市の豪雨(100mm/2days)の頻度の年々変動の解析例を以下に示します。  ★テーマ例:高知県や他の都道府県などの局地的な気象のトレンド解析、局地循環の気候値の動 ...

理論物理学研究室(全卓樹)

理論物理学研究室(全卓樹) 次世代の単電子素子の開発を念頭に、量子力学の数理的側面を調べています。また個々人の意思がどのように集約されて社会全体の意思決定につながるのかを数理物理的に理解する「社会物理学」の研究を進めています。フランス、イタリア、チェコの研究機関との国際共同研究を行なっています。 ★テーマ例:グラフ上の量子力学、非線形シュレディンガ ...

環境解析研究室(中根英昭)

環境解析研究室(中根英昭) レーザーを用いたメタン計測、ドローン用いた測定システムの開発などを行うと共に、地上紫外線データの解析、森林関連データの解析などを行ってきました。現在、ディープラーニングを用いた環境データの解析を開始したところです。 ★テーマ例:森林簿・植生図・リモートセンシングデータの統合的解析による森林の現状把握、宿毛バイオマス発電所のCO2排出 ...

物理統計学研究室(古沢浩)

物理統計学研究室(古沢浩) 統計物理学的なアプローチでデータサイエンスに取り組み始めて2年が経過しました。ネットワーク解析、時系列解析、空間解析の3手法に焦点を当て、従来の統計学を補完する新たな実践的手法を開発することを目指しています。 ★テーマ例:デジタル電話帳を用いた市町村産業連関に関するネットワーク解析、有用植物の植生分布に関するネットワーク解析 ...