

シミュレーション物理学研究室(小林 未知数)
この研究室では
- (主に物理学の手法で扱える)自然現象をとことん理解する
- そのためにコンピューターシミュレーションを駆使する
の2点に基づいた理論物理学研究を行う研究室です。特にこの研究室では数多の要素が集団となって振る舞うことによって初めて我々の前に姿を現すような現象に着目します。このような問題は「多体問題」と呼ばれ、原初を理解するためにコンピューターシミュレーションは必須のツールです。特にこれまで扱ってきた問題には
- 流体(液体・気体のように特別な形を持たないもの)の流れのシミュレーション。特に乱れの強い流れにおける渦運動シミュレーション
- 液体・気体・固体あるいは超伝導・超流動・プラズマなども含めた状態間の転移(相転移)のシミュレーション。あるいは相転移のダイナミクスにおいて生じる秩序構造形成のシミュレーション
などを行ってきました。上の左の図は超流動と呼ばれる、粘性が消失した流体において、強く乱れた流れの状態を作ったときの渦の可視化シミュレーションです。ヘリウムは-269度で液体となり(気体から液体への相転移)、-271度で粘性が消失します(粘性流体から超流動への相転移)。右の図は、原子がスピンと呼ばれる、ある種の磁石のような性質を持った場合のシミュレーションで、渦がまるで実態のある紐のように絡み合い始めます。